感染した犬や猫の毛や皮膚に触ることで感染するミクロスポルム・カニスという原因菌は皮膚や毛のケラチンを栄養源に増殖するため、感染した部位で脱毛したり、かさぶたやフケが増えたりします。かゆみがともなうこともあります。
もし、人間が感染してしまった場合は抗真菌剤が有効なため、それを含有した外用薬や内服薬が処方されます。
ペットが感染した場合、脱毛などの症状が現れた部位での毛やフケを採取して検査材料にし、直接顕微鏡で採取した毛を観察して真菌の存在を確認したり、ミクロスポルム・カニスがある特定の波長の紫外線を照射すると蛍光を発する特徴を利用して、診断します。
治療には抗真菌剤を使用します。犬や猫では被毛が長いためにクリームや軟膏などの外用薬が患部に届きにくい欠点があり、抗真菌剤を含有したシャンプーを使ったシャンプー療法や、重症例では内服薬での治療が中心となります。
感染を予防するために心がけるべきことは、ペットを触ったら石鹸でよく手を洗うことです。また、ペットと人間の寝床を一緒にしないようにしない方が望ましく、少なくとも接触したシーツや落ちている毛をこまめに掃除洗濯しましょう。